技術書典2 振り返り

4月9日にアキバ・スクエアで開催された「技術書典2」にサークル「ふぃーるどのーつ」で参加してきました。

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電子書籍(PDF)版は、booth.pmで販売しています。

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当日は雨天で足下の悪い中、3100人以上の一般来場の方にお越し頂き、当サークルも、印刷所への発注数の殆どを売り切るという、望外の結果に恵まれました。ブースにお越しいただいた皆様、厚く御礼申し上げます。

時系列別振り返り

2016-12~2017-1
  • 2016-12 知識のアウトプットの形式として同人誌を考え出す。コミケを見に行く。
  • 2017-正月 技術書典2の開催を知り、参加を考え出す。主催のtechbooster (以下てくぶ)の中の人に威嚇(?)いいねされる。

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  • 2017-1-4意を決して申し込む。

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  • 2017-1-7(正月休みの後の三連休) 原稿のgitレポジトリーをBitbucketに作成する
  • 2017-1-9 markdownからpandoc+lualatexでPDFを作成してDropboxにデプロイする仕組みをBitbucket Pipelinesに作成して悦に入る。
  • 2017-1-16 参加当選が決まる。コミケで噂に聞く壁サークルの配置と言うことを知りビビる
  • 2017-1 中旬~下旬 このブログの記事をブラッシュアップしてコンテンツにすることを決め、執筆を進める。
2017-2
  • 2017-2 上旬 他のプライベートのことを考えると2月中には執筆の大枠を固める必要があるとの見込みの元、ひいひい言いながら執筆する

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  • 2017-2-5 「技術書典2 技術書の作り方勉強会 ~執筆環境をワイワイはなそう~ 」に参加する。てくぶの「技術書をかこう! ~はじめてのRe:VIEW~」を購入する。

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  • 2017-2-5 ノリと勢いでコミケ92(夏コミ)に申し込む。
  • 2017-2 中旬 この頃から意に反して仕事が忙しくなり始める。
  • 2017-2 下旬 「Pactではじめるコンシューマー駆動契約」の技術検証がうまく進まずに行き詰まる。1マス戻る。

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  • 2017-2-26 「技術書典2 もくもく執筆レビュー会 ~進捗はそこにあるか~ 」に参加する。レビュー会と帰宅してから技術検証を続けた結果、技術検証が終わる。2マス進む。

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2017-3
  • 2017-3-上旬 いよいよ仕事が忙しくなり、職場で暗黒オーラをまき始める
  • 2017-3-9 「まべ☆てっく vol.3」で宣伝LTをする。ちなみにこの段階で「テストと『品質』」はまだ書き上がっていない。

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  • 2017-3-20 一通り書き上がる。校正・レイアウト等の作業に入る。計画からは一週間遅れ。
  • 2017-3-21 POP立て等の必要な資材を買いそろえる。
  • 2017-3-27 他の私用のため有給を取っていたがその予定がキャンセルになったので、終日レイアウト作業に費やす。
  • 2017-3-28 入稿する。
  • 2017-3-31 「来月もプレミアムに過ごすためのインフラ構成管理ツール入門編」でLTをする。その中で技術書典2の宣伝もする。

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2017-4~当日
  • 2017-4-1 ブースに必要な資材の買い出し、キンコーズでダウンロードシリアルを印刷したペーパーの用意など。 告知エントリーを作成する。
  • 2017-4-2 電子書籍版(PDF)の用意。結局この後前日まで細部の調整でPDF版の再作成を繰り返すことになる。
  • 2017-4-4 ダウンロードシリアルのペーパーにURLのQRコードを掲載した方が便利なことに気づき、キンコーズで再度作成
  • 2017-4-7 一応出社していたのですが、心ここにあらず
  • 2017-4-8 サポートページのエントリーを作成して予約投稿をかける。
  • 2017-4-9 当日を迎える

雑感

スケジュールについて

印刷所の期限のだいぶ前に入稿していますが、これは自分のスケジュールが

  • 開催の前日(土曜)はプライベートの都合で準備に時間を割けない
  • なので、その前の週の土日をブースの準備に使う必要がある
  • ということは、その前に入稿しておく必要がある

ということで、このようなスケジュールになっています。もう数日少し遅らせておけば細部のクオリティーをあげられたのではないかというのはあるのですが、その時期は業務の方の稼働もいっぱいいっぱいだったので、これはこれでよかったと思います。炎上案件良くない。

入稿

てくぶ様の方でRe:VIEWでPDF入稿のテンプレートを作っていただきましたが、今回は作業環境がWindowsだったとか、その当時だと、PDF/Xのフォーマットとかフォントの埋め込みのところがちんぷんかんぷんだったとかあり

  • markdownで書いた原稿を Pandoc - About pandoc でLuaLatexでtexに変換し、そこからPDFを生成
  • 生成したPDFをプリンターで漫画用原稿用紙に出力し、版下を入稿

というプロセスでやっています。この手順だと、極端な話原稿用紙のコーナートンボの内側に文字が出力されていれば入稿できるのと、入稿時に印刷所の店員さんに版下をチェックして貰えるので、データをアップロードしてから差し戻し→修正の手間を踏まずに済んだのはよかったと思います。ただ、仕上がりのきれいさはやはりPDF入稿のほうが優るので、次回からPDF入稿を検討したいです。

markdownをBitbucketにpushするとBitbucket PipelinesでCIが実行され、作際されたPDFがDropboxにデプロイされるということをやっていたのですが、主にフォントの埋め込みの関係で、最終工程はWindows上で作成しています。LuaLatexの仕様上はコマンド実行時のカレントディレクトリーにフォントのttfファイルを置けば認識できるのですが、リモートのCI環境でそれをやるのはライセンス上アレでソレなもので。ちょうど開催直前にAdobeオープンソースの「源ノ明朝」フォントをリリースしたというニュースが出たので、次回はそちらを使ってCIでの入稿PDF作成にチャレンジしたいです。

forest.watch.impress.co.jp

あと表紙作成時にテンパっていて表紙のフォントはメイリオなのですが、クリアPPの明るさとマッチして意外と悪くないです。とはいえ、このようなイベントではどれだけ目立つかが勝負なところがあるので、表紙にはもっと力をいれるべきだと思いました。

釣り銭

当日、他のサークルさんでこんな話がありました。

実は当サークルでも釣り銭が足りなくなり、早々に売り切れて店じまいした隣のサークルに両替してもらって窮地を脱したという一幕がありました。(docker-machineさんありがとうございました)。釣り銭は500円玉を10枚用意していましたが、訓練されたコミケ参加者のように500円玉を束で持ってくるのかと思ったら思いの外札での支払いが多く、足りなくなったという…。当日の売り上げ実績だと500円玉が20枚は必要のようです。ただこれで1万円になるので、個人が用意する額としてはこれが限界ですね。

サンプルコード

今回、「Pactではじめるコンシューマー駆動契約」内の記述の進行と、GitHubに公開しているサンプルコードのコミットが連動しているという試みをしています。よく頑張った。褒めて欲しい。

github.com

サポートについて

てくぶさんが開催された事前の勉強会に参加しました。サークル出展ははじめてで勝手がわからないところがあったので、情報や雰囲気が色々知れてよかったです。また公式サイトでのサークルリスト関連の機能など細かくサポートしていただき、ありがたかったです。

techbookfest.connpass.com

後、持ち込む冊子数をどれくらいに見込むかですが、「techboosterの見込み数×(自サイトのサークルチェック数/techboosterのサークルチェック数)」というのが、技術書典では一番正確に見積もれるようです。

あと、今回の技術書典2にも参加されていたid:kakkun61の以下のエントリーは大いに参考になりました。

kakkun61.hatenablog.com

kakkun61.hatenablog.com

収支

収支ですが、以下の通りです。

売上
項目 単価 売上数 売上金額
冊子 500 143 71500
出費
項目 金額
印刷費(B5・40ページ×150部) 18140
参加費 7000
備品・文具 7041
コピー代(ダウンロードのペーパー用) 5553
Adobe Creative Cloud(Acrobat) 20476
typekit ポートフォリオプラン※ドル決済のため概算 5850
合計 64060

ということで、差し引き7000円強の黒字ということになります。はじめてのサークル参加で赤字にならなかったので、収支面では望外の結果となりました。

なお手元に、技術書典2の参加が決まった直後に気が大きくなって買ったQHDモニターの領収書があることを申し添えておきます。

最後に

今回このような形で自分の知識をまとめて発表する機会を得ることができ、大いに得るものがありました。また当日も楽しませていただきました。次回技術書典が開催されたらまた参加を検討したいと思います。

主催のtechboosterさん、印刷・製本の日光企画さん、サークル参加者および一般参加者をはじめとして関係者のみなさん、ありがとうございました!