TDD Advent Calendar jp: 2011の先頭バッターであるこのエントリでは、先日開催したTDDBC横浜での経験をもとに、みなさんがTDDBCを開催することになった場合に、気をつけるといいことを書きたいと思います。
宣言
まずは「やります!」と宣言することからはじまります。TDDBCはやりたいと意思表明すれば誰でも開催することができますが、TDDBCのMLで宣言すると、開催経験のあるみなさんのサポートを受けることができてよいでしょう。
会場手配
会場を確保しないことには話がはじまりません。地域にもよりますが、首都圏の場合は半年以上前から公共施設の受付がはじまるので、早めのスタートが肝心です。また、多くの自治体では、公共施設の予約の時に使用者登録が必要となります。
会社の会議室を借りれる場合はスケジュールに余裕はでますが、稟議のフローは確実に進めてください。
基調講演の手配
必須ではありませんが、多くのTDDBCでは基調講演やTDDのデモを行っています。TDDBCのMLで協力を依頼するのがいいと思います。このフローは会場手配と並行して進めることになるので、スピードが求められます。
会場下見
会場が決まったら下見です。会場のキャパシティがわからないと受付枠が決まらず、参加受付をはじめることができないので、早めに行ってください。
TDDBCは実習形式のため、テーブルは島形式となります。このため会場のカタログ上の定員よりも実際の収容人数が減るため、この部分を確認してください。
また電源の確認も重要です。IT関係の企業に勤めていると忘れがちですが、公共施設の会議室というのは参加者が1人1台PCを持ち込むことを想定したつくりになっていません。参加者に電源コードの持参をお願いすることもできますが、それぞれの島までの配線は主催者側で確保できるようにする必要があると思います。
ネットワーク環境も重要です。無線LANが提供されていれば御の字ですが、イーモバイルやWiMAX等の電波が入るか、確認しておいたほうがいいでしょう。
スタッフの手配
サポートできる言語を決めるため、サポートスタッフを募る必要があります。TDDBCのMLや、地域の技術コミュニティに協力を仰ぐのがいいと思います。私見となりますが、ポイントとなるのはPHPのサポートスタッフを確保できるかだと思います。
参加受付
イベントの申込サイトは最近雨後のたけのこ状態ですが、それぞれ特色があるので、実現できること&実現できないことがあるため、慎重に選択する必要があります。
ATND
TDDBCに限らず多くのイベントで ATNDを使用されています。OpenIDを使用してTwitter、はてな、google、mixi,Yahoo!JAPAN,livedoor,Flickr,はてな のユーザアカウントで登録を行うことがため、これらのサービスの中では一番敷居は低いですが、ユーザがATNDにメールアドレスを登録していない場合に、主催者側から連絡を取ることが難しくなると言う問題があります。また、事前に参加費の徴収を行いたい場合は、AATND::Paymant等の外部サービスを使う必要があります。
この記事を書いている12/1 、現行のATNDからフォークしたイベントアテンドの開設がアナウンスされました。こちらでは事前のユーザアカウント登録が必要になり、この際にメールアドレス登録が必要になるため、主催者から確実に連絡を取る方法が確保されることになりました。また参加費の事前決済にも対応したようです。
こくちーず
ユーザ登録が必要ないため、この中では一番間口が広いといえるでしょう。ただし、イベント開設時に、メールアドレスの登録を必須にしておくことに注意する必要があります。また、参加費の事前徴収はできません。
PARTAKE
受付をTwitterのアカウント所持者に絞ってもよく、かつ参加費が当日徴収でいいならPARTAKEは有力な選択肢です。ただPARTAKEは参加者への連絡を参加者自身のアカウントからダイレクトメッセージを送信することで行うのですが、一部のTwitterクライアント(夜フクロウTweetings for Twitter等)ではこのメッセージが表示されないという問題があります。
先着順か、抽選か?
首都圏でのTDDBC開催では申込が受付枠の2倍〜3倍に達する場合があるため、受付を先着順にするか受付順にするか考える必要があります。早い者勝ちのアルティメットの方が主催側は楽なのですが、これまでの傾向を見ると、我先に申し込むためかキャンセルがかなりの数発生しているように見受けられます。抽選にはそういう問題はありませんが、抽選結果や、キャンセル繰り上がりの連絡手段を考えなければいけないため、運営側の負担は増します。
余談ですが、どうやっても開催直前のキャンセルというのは発生するので、首都圏の開催の場合は4〜5名程度の人数ずれが発生しても運営に支障がないようにしておく必要があります。と同時にこれをご覧になっているみなさんには、直前キャンセルは極力避けていただくようにご協力お願い申し上げますm(__)m
弁当
TDDBCを1日コースで開催する場合、講演、デモ、実習、コードレビューとカリキュラムを詰め込むことになります。なので、時間の有効活用として主催者側で弁当を用意して参加者間の交流やライトニングトークス等に当てる場合がありますが、ここまで書いてきたような理由で参加者数がぶれると弁当が余ってしまう場合があります。ですから、主催者がイベント開催になれてない場合は避けた方が無難です。余った弁当を持ち帰って家の家庭ゴミとして処分するのは切ないものがあります...
当日の役割分担
最低でも当日の受付を仕切る人と会場設営を仕切る人は分けてください。この2つを1人で仕切るのは無理です。また当日は主催者は色々とこなすことがあるため、タイムキーパーの役をどなたかにお願いしておいた方がいいでしょう。
領収書
領収書の発行をもとめられる場合があるので、準備しておいてください。なお、TDDBCのようなイベント参加費は消費税の課税取引となりますので、明細に消費税の金額も記載しておいた方が無難です。*1
お題
TDDBCでは、午後の実習のお題を考えるのが開催者の特権のようになっていますが、別に1人で考えなければいけないということはないです。また、これまでの課題で公開されているものもあるため、参考にするといいでしょう。
また、課題をどのように参加者に見せるかと言うことも考える必要があります。ネットワークが使用できる環境であれば、公開されているサーバにアクセスして、課題を閲覧できるようにするのがいいと思います。逆にネットワーク環境が期待できないのであれば、事前にカードに印刷して参加者に配布するのがよいでしょう。
懇親会
懇親会の仕切りもできれば他の方にお願いした方がいいでしょう。でないと開催直前になって当日の準備と懇親会の人数把握などの諸々が両方降りかかってパニックになります。
さいごに
ここまで書いてきて分かるとおり、イベントを行うには色々考える必要があります。ですが、TDDBCは「やりたい」と手をあげれば始められるイベントです。自分で、イベントをつくりあげたいという意志さえあれば、それを支えてくれる方が大勢いらっしゃいますので、自分がTDDBCを「開催したい」と強く願うのであれば、勇気を出して飛び込んでみることをおすすめします。
それではTDDBCでお会いしましょう。
続いてのエントリは誕生日を迎えたかわにしさんのTDD少年です。
*1:納税が必要なわけではないです